世界天文年2009マスコットキャラクター「ガリレオくんと仲間たち」が、みなさんを星空と天文学の世界へご案内します!

第22回 「これからしばらく火星に思いをはせるのじゃ」の巻

2009年12月1日号

第22回

観測ガイド ― 火星を見よう

  世界天文年もいよいよ終わりの時が近づいてきたのう。じゃが、今年が終わるからといって、宇宙になにか特別な終わりのときが来るわけではない。世界天文年が終わっても地球は動き続けるし、わくわくする天文の話題はこれからも次から次へと続いていくじゃろう。

 2010年前半の夜空の話題といえば「火星」じゃ。1月下旬には2年2か月ぶりの火星接近。そのあともしばらく見え続けているので、望遠鏡で眺めたり、火星を見るイベントに出かけたりして、火星にお近づきになるとよいじゃろう。

 火星を望遠鏡で眺めると、オレンジ色の小さな玉粒のようじゃが、それは火星の地面の色そのものじゃ。人間が将来いつかそこに立って踏みしめることになるかもしれない火星の大地が、じかに見えているのじゃ。火星にはその昔、たくさんの水があり生き物がいたとしてもおかしくないとも言われておる。もしかしたら、地球と似た風景が広がっていたかもしれない。2010年は、宇宙とその中の火星、そして生命の存在に思いをはせるのじゃ!

ガリレオガイド ― 火星の奇妙な動き「逆行」

火星の動き 2010年火星最接近前後の火星の動き。火星が星座の星々の中を日々動いていくようすを確かめるには、しし座とふたご座の星がよい目印になる。(クリックで拡大)

 ガリレオ・ガリレイは望遠鏡を火星に向け、火星の満ち欠けに気づきました。しかし望遠鏡による観測がなかったとしても、肉眼で観測される火星の動きを説明するには、天動説よりも地動説のほうがより都合がよいと言えます。

 火星の位置を数か月間にわたって記録してみると、ある星座からその東側の星座へと渡り歩いていくような動きがわかります。ところが、2年2か月ごとのある期間だけは、その動きが反対向きに転じます。この奇妙な動きは逆行運動と呼ばれています。このような複雑な運動をするようすが、戸惑うようにも見えることから、火星などの太陽系天体に惑星すなわち惑う星という字が当てられているのです。火星はとくに逆行運動が大きい惑星です。

 この逆行運動の理由はどのように考えられてきたのでしょうか。かつて地球が宇宙の中心にあり、そのまわりをすべての天体が円を描いて運動していると考えられていた時代には、大きな円の上に小さな円が乗ってその円運動の組み合わせによってこの複雑な動きが説明されていました。

 16世紀にはコペルニクスが、太陽を中心に地球や他の惑星が回転しているとするモデルを発表しました。地球ではなく太陽を中心とした回転ならば、逆行運動は、地球が火星を追い越すときに見られる動きとして、より簡単な理由で説明することが可能です。また、逆行のときは地球と火星が近づいているため火星がとくに明るく見えます。地動説により、こうした観測事実をより合理的に説明できるようになったのです。

 

ガリレオガイド ― 系外惑星

 ガリレオと重なる時代を生きたイタリアの哲学者ジョルダノ・ブルーノ(1548〜1600年)は、神に対する自らの信念から、宇宙は無限に広がっていて、特別な場所はなく、宇宙には別の太陽がたくさんあり、それらをまわる別の地球や惑星、そして生命のいる世界もたくさん存在するという説を主張しました。そうした考えは当時は正しくないとみなされ、ブルーノは訴えられました。その後も自分の説をひっこめなかったので、最期には火あぶりの刑になりました。

 現代では、系外惑星(太陽以外の恒星をまわる惑星)の存在は疑いようのない真実です。2009年12月14日現在、すでに407個もの系外惑星が観測によって実際に発見されており、その数はさらに増え続けています。系外惑星の研究は、世界が競う天文学の重要な分野です。すばる望遠鏡も活躍しており、恒星の光を巧みな手法でさえぎって、かすかな惑星の光を直接観測することにも成功しています。

 参考:
       国立天文台ハワイ観測所のホームページ すばる望遠鏡

 

天文解説 ― 火星大接近と小接近

地球と火星のサイズの比較 地球と火星のサイズの比較。地球の直径が約12800kmなのに対し、火星は約6800kmとおよそ半分。表面のようすを見るには接近の機会をとらえるのがよい。
(画像提供:NASA/JPL

 火星の直径は地球の半分ほどです。地球のすぐ外側をまわる惑星といっても小ぶりな惑星なので、表面のようすを観察するには接近の前後数週間を狙いましょう。地球と火星は2年2か月ごとに接近しますが、火星の軌道は大きくゆがんだ楕円なので、どの季節に地球に近づくかによって接近距離が変わってきます。夏から秋にかけて接近するタイミングのときは大接近、冬から春にかけて接近するタイミングのときは小接近となります。2003年は世紀の大接近でした。2010年の接近は小接近です。

接近の日付 接近距離
2003年 8月27日 約5576万km
2005年10月30日 約6942万km
2007年12月19日 約8817万km
2010年 1月28日 約9933万km
2012年 3月 6日 約1億0078万km
2014年 4月14日 約9239万km




制作/世界天文年2009「ガリレオくんと仲間たち」制作ユニット+藤井龍二(まんが)

 

previous index next


星空情報

星を見たら報告!
「めざせ1000万人!みんなで星を見よう!」

 星空をながめる際に参考になるサイトをご紹介します。
 星空を見上げたら、「めざせ1000万人!みんなで星を見よう!」のサイトに報告をしましょう。あなたが星を見た証しにもなりますよ。

  • 国立天文台 ほしぞら情報
    毎月の天文現象、月・惑星の情報、トピックスが紹介されています。
  • 国立天文台 暦計算室 今日のこよみ・今日のほしぞら
    毎日の日の出・日の入り時刻、月の出・月の入りの時刻や月齢、毎日の月や惑星の位置を調べるのに便利です。
  • アストロアーツ 星空ガイド
    毎月の月・惑星の情報、注目の天文現象のほか、話題の天文現象を解説する「特集」があります。
  • Feelニコン 星空案内
    毎月の星空の案内、天文カレンダーのほか、今月の星さがし、今月の星座などのトピックスを掲載。
 

 このページのトップへ戻る

利用規約お問い合わせ