世界天文年2009マスコットキャラクター「ガリレオくんと仲間たち」が、みなさんを星空と天文学の世界へご案内します!

第19回 「昼夜を問わず、いつでも食を体験するのじゃ」の巻

2009年9月1日号

第19回

観測ガイド ― プレアデス食、再び

2009年9月10日23時 (東京) のプレアデス星団と月 【図1】2009年9月10日23時 (東京) のプレアデス星団と月。数字はフラムスチード名、カタカナは固有名。(AstroArts ステラナビゲータ Ver.7 で作成。恒星は6.5等級まで表示。図の上側が天頂)

 およそ400年前、ガリレオが自作の望遠鏡を向けた天体はいろいろあるが、おうし座にあるこのプレアデス星団もそのひとつじゃ。M45というメシエのカタログ番号でも呼ばれておるぞ。日本では「すばる」という和名でもおなじみじゃのう。
 さて、9月10日の深夜、このプレアデス星団が月に隠される現象が起こる。星団の星が次々と月に隠されていくのじゃ。去年の10月にもこの現象があったぞ。おぼえておるかな?(参照:ガリレオくんと仲間たち・第7回)今回は観測条件がとてもいいから、ぜひじっくりと見てもらいたい。ただし、真夜中の現象じゃから、だいぶ夜更かしをすることになるぞ。
 9月24日には、さそり座のアンタレスが月に隠される現象もあるが昼間の空で起こるため残念ながら肉眼では見えんのじゃ。双眼鏡を使うか、望遠鏡の扱いに慣れた人なら、昼間のアンタレスに望遠鏡を向けて観察するとよいぞ。

 参照: ガリレオくんと仲間たち
       第7回「数えれば星の数ほど集まる“すばる”」の巻


天文解説 ― プレアデス食とアンタレス食

2009年9月10日深夜から11日にかけて見られるプレアデス食 【図2】2009年9月10日深夜から11日にかけて見られるプレアデス食
10日23時と11日2時の月の位置 (東京)。3時間で月はこんなに動く。拡大図中の円は直径6°の視野を表す。双眼鏡で見える範囲はこれに近い。 (AstroArts ステラナビゲータ Ver.7 で作成。恒星は6.5等級まで表示。図の上側がおおよその天頂)

2009年9月24日14時 (東京) 南南東の空での月とアンタレスのようす 【図3】2009年9月24日14時 (東京) 南南東の空での月とアンタレスのようす (AstroArts ステラナビゲータ Ver.7 で作成。図の上側が天頂)

 9月10日のプレアデス食では、下弦前・月齢21の月の明るく輝いている縁に次々と星団の星が隠されていきます。観測地によって、隠される星や時刻に違いはありますが、東京では、23時25分におうし座23番星・メローペ (4.2等) が最初に隠され、翌0時2分に星団の中で最も明るいη星・アルキオーネ (2.9等) が、続きます。そして、27番星・アトラス (3.6等)、28番星・プレイオネ (5.1等)、と次々に隠され、しばらくすると隠された星々は月の反対側の暗い縁から再び出現していきます。天球上をゆっくりと西から東へ、月が移動していくようすを実感できるひとときです。双眼鏡があれば、美しい星団と月の共演、そして食の様子をたのしめます。
 9月24日には、さそり座の1等星アンタレスが月齢5の月に隠されるアンタレス食があります。東京では、アンタレスが月の暗い縁に隠されるのが14時21分、出現が15時53分です。昼間の空で起こる現象なので、肉眼で見ることはできません。ただ、昼の青空の中でも月を見つけることはできますから、双眼鏡を月に向ければその左下に赤いアンタレスを確認することはできるでしょう。


さまざまな“食”

 7月22日の日食 (全国で部分日食、一部で皆既日食) がまだ記憶に新しいところでしょう。これは、太陽が月に隠される“日食”で、月によって天体が隠される“食”のひとつです。
 月は、天球を西から東へと少しずつ移動していくので、その通り道にある星を隠すことがあります。このように月に恒星が隠される現象は、“恒星食”と呼ばれます。とくに1等星の食の場合は、その星の固有名を用いて「アンタレス食」のように呼ぶことが多いのです。隠される星は、月の通り道 (白道) に近い場所にあるものに限られ、1等星では、アンタレス、スピカ、レグルス、アルデバランがそれにあたります。
 プレアデス星団の星が月に隠されるのも“恒星食”のひとつですが、このようにまとまった星の集団が隠される場合は、星団の名前を用いて「プレアデス食」のように呼んでいます。
 恒星は、月に隠されるだけでなく、小惑星や惑星に隠されることもあります。
 また、今年は、木星のガリレオ衛星の相互食 (他の衛星に隠される、他の衛星の影の中に入る) が観察できる年でもあります。こういった衛星が衛星を隠すのも“食”現象のひとつです。
 金星や水星のように、内惑星が太陽の前を横切る「太陽面通過」(日面経過とも呼びます) も太陽の“食”のひとつ、つまり一種の“日食”と言ってもよいでしょう。
 じつにさまざまな“食”があるものです。



制作/世界天文年2009「ガリレオくんと仲間たち」制作ユニット+藤井龍二(まんが)

 

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