世界天文年2009マスコットキャラクター「ガリレオくんと仲間たち」が、みなさんを星空と天文学の世界へご案内します!

第13回 「ピカピカの金星で、地動説を確信じゃ!」の巻

2009年2月1日号

第13回

観測ガイド ―金星を観察しよう

金星と地球の位置関係の説明図金星と地球の位置関係の説明図
金星は地球より内側の軌道をまわる内惑星です。見かけ上、太陽からもっとも離れて見えるときを「最大離角」といいます。このとき、金星は半月状に見えます。2009年の東方最大離角(宵の明星として夕方の西空に見える)は、1月15日でした。4月以降は、朝方の日の出前の東空で見られるようになります(明けの明星)。金星は(さらに内側をまわる水星も)、最大離角以上に太陽から離れて見えることはありません。つまり、火星より外側をまわる外惑星のように、夜中に金星を見ることはできません。
(画像提供:国立天文台

 世界天文年がいよいよ始まったのう。しばらく風邪をひいてお休みしておった(第12回)が、元気になったので、心新たに星空の謎解きにチャレンジするぞ。2009年も、よろしゅう頼むぞ!
 さて、夕方の西空に金星がたいへん明るく見えておる。「宵の明星」じゃな。とても明るいので、よくUFOと間違えて、天文台や科学館などに通報する人もおるらしいが、みなは、そのようなことのないように。
 さて、望遠鏡で観察すると、表面はまぶしく白く光っているだけで模様は見えないが、形が丸くないことがわかって、びっくりじゃ。この時期、まるで三日月のような形をしておるのう。年のはじめから3月いっぱいにかけて、1週間おきくらいに観察を続けていくと、だんだん欠け具合が大きくなっていくのがわかる。そして、金星の見かけの大きさもどんどん大きくなっていくぞ。また、年明けすぐは夕方の西空の見やすい高さのところに輝いておるが、3月に入ると、だんだん低くなって見えにくくなる。金星が、もっとも明るい(最大光度)のが、ちょうど2月中旬で、マイナス4.6等じゃ。これは、昼間の青空でも目のよい人なら肉眼で見つけることができるくらいの明るさじゃ。すごいの。
 金星の明るさ、形、大きさ、そして地平から見える高さ(これは「見かけの太陽からの距離=離れ具合」を示しておるのう)などなど、いろいろな観察ポイントがあって、ここしばらくは、金星からは目が離せんわい。

 
 
 
 
 
 

ガリレオガイド ―金星の観測結果から地動説を確信したガリレオ

金星の満ち欠け金星の満ち欠けの変化のようすを示した写真
(画像提供:福島英雄/国立天文台

ガリレオによる金星スケッチ金星の満ち欠けの変化のようすを描いたガリレオのスケッチ
(画像提供:Istituto e Museo di Storia della Scienza, FlorenceIYA2009

 1609年に望遠鏡を使って天体観測を始めたガリレオは、1610年に金星の観測に取り組みました。そこで、ガリレオは、「金星は月と同じように満ち欠けをすること」「満ち欠けに対応して大きさも変化すること」を発見しました。とくに、半月形より丸るく見える金星のようすを観測したガリレオは、それが天動説では説明不可能であることを見抜き、地球や金星が太陽の周りをまわっていて、さらに金星の軌道が地球より内側にあると考えれば、金星が夕方か明け方にしか見ることのできない理由も含めて、見かけの現象として簡単に説明できることを確認しました。
 当時のヨーロッパ社会では、すべての天体は地球を中心にまわっていると考える天動説が広く信じられていました。しかし、ガリレオは、以前から天動説に疑問を抱き、コペルニクスが唱えた太陽を中心とする宇宙モデル=地動説を支持しつつありました。1610年のはじめに木星を観測して、衛星がその周りをまわっていることを見つけると、地動説への支持はさらに深まりました。そして、この金星の満ち欠けと大きさの変化の発見によって、ガリレオは地動説の正しさを確信することができたのです。

 

天文解説 ―温室効果が暴走した金星

マゼランが撮影した金星アメリカの金星探査機「マゼラン」が捉えた金星の表面画像。厚い大気層を通過するレーダーを利用した探査で、表面地形のくわしい観測に成功しました。活発な火山活動も確認されています。
(画像提供:NASA/JPL

  金星は、地球のすぐ内側の軌道をめぐるお隣の惑星です。キラキラと輝くたいへん明るい星ですが、どんな大型望遠鏡を使っても金星の表面のようすを知ることはできません。金星は分厚い大気に覆われているからです。金星は地球とは逆方向に自転していて、表面ではたいへんな強風が吹き荒れています。
 金星は半径、質量、密度とも地球によく似ています。ところが金星の地表は、およそ気温500℃、大気圧90気圧と、まったく地球上の生命が住めないような過酷な環境です。いったい何が2つの惑星の運命を分けたのでしょうか。灼熱の金星の大気の96%は二酸化炭素からできています。このため温室効果がとても強くはたらいて、熱を宇宙に逃がすことができずに大気中に溜め込んでしまいました。実は原始の地球の大気も同様に二酸化炭素が主成分であったと考えられています。しかし、大量の二酸化炭素は雨にとけて海へ運ばれました。このため温室効果が減って大気の温度はしだいに下がりました。大気がなく温室効果がはたらかないと、水星や月のように夜は冷え切ってしまいますが、金星のように温室効果が大きすぎるのも問題なのです。
 旧ソ連やNASAが今までに行った金星探査は、主に金星の地表や地形、地殻活動の解明が目的でした。2010年頃打ち上げ予定の、JAXA宇宙科学研究本部の金星探査計画PLANET-Cは、地球と双子の惑星と呼ばれる金星の「大気の大循環」の解明をめざすミッションです。搭載された複数の赤外カメラにより下層の雲や微量の気体成分の分布を全惑星規模で連続的に測定し、大気の運動を詳しく観察する予定です。

太陽からの平均距離 約1億820万km
公転周期 225日
自転周期 243日
赤道半径 約6052km(地球は6378km)
質量 地球の約0.815倍
平均密度 5.24 g/cm3(地球は5,52 g/cm3
 

制作/世界天文年2009「ガリレオくんと仲間たち」制作ユニット+藤井龍二(まんが)

 

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