世界天文年2009マスコットキャラクター「ガリレオくんと仲間たち」が、みなさんを星空と天文学の世界へご案内します!

第11回 「不思議な星をミラれるか?」の巻

2008年12月1日号

第11回

観測ガイド―不思議な星、くじら座のミラ

ミラミラのさがしかた

  不思議のことを「ミラクル」といい、鏡のことを「ミラー」というじゃろ。ミラはラテン語の「不思議な」という意味のことばなのじゃ。くじら座のミラは、「不思議な星」という意味の「ステラ・ミラ」ということばのミラだけが星の名として残ったものだが、何がどう不思議なのか、1回見ただけではその意味がさっぱりわからんのも無理はない。だがミラを何度も見ていると、明るさが変わっていく不思議な星であることがはっきりとわかるはずじゃ。
  夜空でミラを見つけるのは、いくつかのやり方があるが、12月の夜ならば秋の四辺形の角を結んで南東のほうへ2倍延ばしたあたりにある、と覚えておくのが簡単じゃ。深夜であればオリオンの両足の星を明るいリゲルの側に5倍ほど延ばす、という手もあるぞ。それほど空高く見上げる位置にあるわけではないので、時間によっては建物などに隠れるかもしれんのう。南の空の見晴らしを確保するとよいじゃろう。
 ミラは2008年12月はちょうどいちばん明るい時期をむかえておるが、いずれは暗くなって肉眼では見えなくなる。観察を続けるには、くじら座の星の並びを覚えておくのが賢いぞ。今夜はミラを見られるか、見られないか、とにかく不思議な星の光を今のうちに目で見てたしかめてみてほしいのじゃ。

 

 

天文解説 ―変光星

ミラ(GALEX)提供:NASA/JPL-Caltech
NASAの紫外線天文衛星ギャレックス(GALEX)が発見したミラの尾のような構造。星の外層が宇宙空間に流出している。 (参照:NASA/JPLニュース

  16世紀まで、夜空の星というのは永遠にして変化しないものだと考えられていました。明るさの変化が初めて観測された記念すべき星が、くじら座のミラなのです。1596年8月、今まで明るい星が見えなかったところに3等星として輝いていたのをドイツの天文学者ファブリチウスが見つけたのがミラの最初の発見で、その後は見えなくなりましたが、ファブリチウスは1609年2月にふたたび明るく輝いていることに気づき、変光(星の明るさが変わること)を発見しました。
 変光星ミラはその後の観測で、星が膨張・収縮を繰り返して明るさを変えていることがわかりました。変光する原因による分類では脈動変光星と呼ばれています。ミラの変光は星の一生の末期症状と言えるもので、ミラからは星を形作るガスなどの物質が宇宙空間へ流出していることもわかっています。
ミラはいちばん明るい時には3等星で、肉眼でもはっきりと見えますが、いちばん暗くなるときは約10等で、望遠鏡を使わないと見えません。ミラの明るさの変化は約330日で、くじら座が見える秋から冬に明るくなるこの先数年間が変光星観察入門に適しています。周期や明るさは確定したものではありません。脈動変光星の姿を自分の目で確かめてみてください。

 

ガリレオガイド―ケプラーの星

ケプラーの星提供:NASA, ESA, R. Sankrit and W. Blair(Johns Hopkins University)
「ケプラーの星」の超新星残骸。ハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙赤外線望遠鏡、チャンドラX線観測衛星による画像。

  ガリレオも明るさが変わる天体を目撃していました。ガリレオが望遠鏡を開発する前の1604年10月、へびつかい座に突如現れて、最高でマイナス2.6等という輝きを放った星です。この天体はドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーが詳しく調べたことから「ケプラーの星」と呼ばれています。
  ちょうど木星・土星の会合と同時期に起きた異変だったので、当時は占星学的意味をめぐる議論が巻き起こっていました。ガリレオはこの星は視差がないことから、月よりもはるか遠くの存在であることは明らかである、と説きました。しかし神の支配する天にはいかなる変化もありえないとするアリストテレス的宇宙観と対立し、論争になりました。ケプラーの星は、ガリレオが宇宙の構造を考え直すヒントとなる“天の異変”だったのです。
  ケプラーの星の正体は、私たちの銀河系の中で起きた超新星爆発です。以来404年間、銀河系内の超新星は観測されていません。右の画像は、現代の宇宙望遠鏡によるもので、衝撃波でチリやガスが球状に広がり宇宙空間へ散っていく過程が写っています。残骸となったケプラーの星の400年後の姿です。

 
 
 
 

制作/世界天文年2009「ガリレオくんと仲間たち」制作ユニット+藤井龍二(まんが)

 

previous index next

 

12月の星空

 寒さが一段と厳しくなる12月。でも、漆黒の冬の夜空にはきらめく星がたくさん輝いています。たくさんの1等星が見られるこの季節、ぜひ星空をながめてみましょう。もちろん、暖かな服装で外に出ることをお忘れなく。次のサイトを参考にして、冬の星座めぐりをたのしんでみましょう。

  • 国立天文台 ほしぞら情報
    毎月の天文現象、月・惑星の情報、トピックスが紹介されています。
  • 国立天文台 暦計算室 今日のこよみ・今日のほしぞら
    毎日の日の出・日の入り時刻、月の出・月の入りの時刻や月齢、毎日の月や惑星の位置を調べるのに便利です。
  • アストロアーツ 星空ガイド
    毎月の月・惑星の情報、注目の天文現象のほか、話題の天文現象を解説する「特集」があります。
  • Feelニコン 星空案内
    毎月の星空の案内、天文カレンダーのほか、今月の星さがし、今月の星座などのトピックスを掲載。
 

 このページのトップへ戻る

利用規約お問い合わせ