世界天文年2009マスコットキャラクター「ガリレオくんと仲間たち」が、みなさんを星空と天文学の世界へご案内します!

第9回 「おとなりさんは似た者どうし?」の巻

2008年11月1日号

第9回

観測ガイド

11月の星空提供:国立天文台ほしぞら情報

 秋も深まり、夜はずいぶん冷え込むようになったのぉ。秋の夜空は明るい星が少なくなんとなくもの寂しい印象で、よけいに寒さが身にしみるかのようじゃ。しかし、空が澄んで暗い天体も見やすい季節だから、秋の星空を存分にたのしむとよいぞ。
 南の空高く、頭の真上に近いあたりにかけて、大きな四角形を見つけることができる。これがペガスス座の四辺形、別名「秋の四辺形」じゃ。ここからカシオペヤ座のほうにむかってアンドロメダ座という星座がある。神話上の古代エチオピアの王女アンドロメダの姿が星座になったものじゃ。このアンドロメダのちょうど右膝にあたる場所に、目をこらすとぼんやりと雲のようなものが見える。ただし、夜空が十分に暗い場所でなければなかなか見つけられない。明るい都会の夜空で見つけるのは至難の業じゃ。
 このぼんやりした天体に双眼鏡を向けると、楕円にのびた光のシミのように見えるぞ。これが数千億個もの星と膨大なガスの集まり、「アンドロメダ銀河」じゃ。とても淡いが満月数個分ほどの広がりがあり、望遠鏡を使って見ても銀河のごく中心部しか視野に入らないから、双眼鏡で観察するのがちょうどよいくらいじゃろう。

 

天文解説 ―アンドロメダ銀河

アンドロメダ銀河撮影・提供:福島英雄(国立天文台

 アンドロメダ座に見えるこの天体は、私たちの銀河系(天の川銀河)の外にある星とガスの大集団「銀河」です。「アンドロメダ銀河」(別名M31*1)と呼ばれていて、お隣の銀河と言ってよいほど近い距離にあります。とは言っても、その距離は230万光年ですから、宇宙のスケールはとてつもなく大きいものです。
 写真撮影をすると、円盤型の星とガスの集まりで、渦巻きをなしていることがわかります。私たちの銀河系も、これに似た渦巻き型をしていると考えられています。
 アンドロメダ銀河と私たちの銀河系は、単に隣どうしというだけではなく、周囲に小さな銀河を多数伴っていて*2 、局部銀河群という銀河の集団をなしています。私たちの社会でいう集落と考えてよいでしょう。アンドロメダ銀河の写真で、近くに写っている小さな光のシミのような銀河が、まさに一緒に局部銀河群をなしているご近所の銀河にあたるのです。

  • *1:18世紀のフランスの天体観測家であるシャルル・メシエが、彗星捜索の妨げになる星雲状の天体を区別するため、番号を付してカタログにした。そのカタログの31番目に記されているのが、M31、つまりアンドロメダ銀河である。
  • *2:銀河系とアンドロメダ銀河を中心とした半径約300万光年に、不確定なものも含めると約40個の銀河があり、それらで局部銀河群をなしている。(参照:理科年表 平成20年)

 

アンドロメダ銀河と宇宙の大きさ

 夜空で肉眼で見つけられるほどの天体ですから、その存在は紀元前から知られていました。アンドロメダ銀河の記述は、古くは紀元前10世紀のペルシアの Al Sufi(アル・スーフィー)という人物の書物の中に「小さな雲」と記述されているようです。*3
 ただ、古くから知られている天体でありながらも、天文学者たちはアンドロメダ銀河を「星雲」(銀河系の中にある雲状のガスの塊)としてとらえていました。つまり、夜空に見える天体は、すべて銀河系の中の天体であり、「宇宙」=「銀河系」という理解だったのです。
 しかし、このアンドロメダ銀河までの距離を正確に測り、この天体がはるか遠く銀河系の外にあることを明らかにした天文学者がいました。アメリカのエドウィン・ハッブル、1929年のことです。この発見で、人類の知る宇宙の大きさは、一気に広がったことになります。アンドロメダ銀河は、人類が探求を進める広大な宇宙への扉となった天体であり、ハッブルはまさにその扉を開いた人物なのです。

 

制作/世界天文年2009「ガリレオくんと仲間たち」制作ユニット+藤井龍二(まんが)

 

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11月の星空

晴れた夜は冷え込みが厳しい季節になりました。寒さに負けずに、外に出て星空をながめてみませんか。次のサイトを参考にして夜空に輝く星座や惑星、銀河などを探してみましょう。

  • 国立天文台 ほしぞら情報
    毎月の天文現象、月・惑星の情報、トピックスが紹介されています。
  • 国立天文台 暦計算室 今日のこよみ・今日のほしぞら
    毎日の日の出・日の入り時刻、月の出・月の入りの時刻や月齢、毎日の月や惑星の位置を調べるのに便利です。
  • アストロアーツ 星空ガイド
    毎月の月・惑星の情報、注目の天文現象のほか、話題の天文現象を解説する「特集」があります。
  • Feelニコン 星空案内
    毎月の星空の案内、天文カレンダーのほか、今月の星さがし、今月の星座などのトピックスを掲載。
 
 

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