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第8回 「太陽よりも早起きするのじゃ」の巻

2008年10月16日号

第8回

観測ガイド ―水星

水星の最大離角水星を見るには太陽から離れて見える時期を調べておこう。水星が太陽よりも西側にあるときは明け方、反対に東側にあるときは夕方に見える。西方最大離角の頃は明け方の東の空に注目だ。

 昼間の星といえば太陽じゃ。だが、太陽からそれほど離れない水星も、昼間に出ている天体と言えるのう。水星の姿はふだんは青空の中に埋もれているためたいへん見にくいものなのだが、太陽から多少離れて見える時期を調べておいて、太陽が昇ってくる前の明け方(あるいは太陽が沈んでから間もない夕方)の時間帯に、「あのへんに見えるはずだ」と位置の見当をつけておけば、肉眼でそのポツンとした光を確認することができるぞ。
 水星が太陽から多少離れているときは、だいたい0等級という明るさで輝いておる。西の空の低いところまで見渡せる場所で、雲がなく澄みきった空であれば、意外に見つけやすいものだ。水星が古くから知られた惑星であることもうなずけるのう。とはいえ、見つけやすい期間は短いので、水星を見つけたときの喜びは大きいものじゃ。
 水星といえば、天体の運動を考察して地動説の基礎を築いた17世紀の天文学者コペルニクスは、生涯いちども水星を見ていなかったというエピソードが有名なのだが、その話にはどうも尾ひれがついているようで、本当かどうかは定かではないのう。

 2008年末から2009年初めの、水星の見やすい時期は次のとおりじゃ。

見やすい時期 最大離角 高度*
2008年10月20日頃〜10月26日頃 10月22日
西方最大離角
日の出30分前に
高度11度
2009年1月3日頃〜1月9日頃 1月5日
東方最大離角
日の入り30分後に
高度10度
2009年2月3日頃〜2月12日頃 2月14日
西方最大離角
日の出30分前に
高度9度

* 高度は地平線からどれだけ離れて見えるかを角度であらわしたもの。東京における値。

 

天文解説 ―水星のデータ

太陽からの平均距離 約5790万km(太陽−地球間の約0.39倍)
公転周期 地球の約88日間
赤道半径 約2440km(太陽系の惑星で最も小さい。地球の約0.38倍)
質量 地球の約0.055倍
平均密度 5.43 g/cm3(地球に次いで密度が大きい)
 

天文解説 ―水星

水星水星探査機「メッセンジャー」が2008年10月に撮影した水星。
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

 水星は太陽系で最も内側をまわる惑星です。また、いちばん小さな惑星であり、そのサイズ(直径)は地球の3分の1よりもやや大きい程度です。小さい割には質量が大きく、地球に次いで密度の高い岩石惑星です。大気はごく希薄です。水星をまわる衛星は見つかっていません。公転軌道が惑星のなかでいちばん大きくゆがんでいることも特徴です。
 太陽に近い過酷な環境であることや、探査機を水星をまわる軌道に投入するのに大きなエネルギーが必要なこともあり、水星の探査はそれほど進んでいるわけではありません。1973年に打ち上げられたアメリカの探査機マリナー10号は水星に接近して表面の約45パーセントの範囲を撮影しました。多数のクレーターがある表面のようすをとらえましたが水星の組成など詳しいことは謎のままです。
 水星の自転周期は約59日、公転周期は約88日。2回公転する間に3回自転しており、つまり1日に2年を要するという、地球とはまったくちがった昼夜のサイクルがあります。表面は昼は400度以上の灼熱、夜はマイナス100度以下の極寒です。巨大なクレーター、大きな逆断層などは、水星の激動の歴史を物語っています。1992年、水星の南北の極に異常に高い反射率を示す地域が見つかりました。これは極に存在する水の氷ではないかと考えられています。
 2004年に打ち上げられたアメリカの水星探査機「メッセンジャー」と、それに続く日本とヨーロッパの水星探査ミッション「ベピ・コロンボ計画」での成果が期待されています。

 

制作/世界天文年2009「ガリレオくんと仲間たち」制作ユニット+藤井龍二(まんが)

 

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