世界天文年2009マスコットキャラクター「ガリレオくんと仲間たち」が、みなさんを星空と天文学の世界へご案内します!

第7回 「数えれば星の数ほど集まる“すばる”」の巻

2008年10月1日号

第7回

観測ガイド ―プレアデス食

プレアデス食2008年10月17日夕方、東の地平線近くで起こるプレアデス食。この図は、19時頃の東京でのようす(AstroArts ステラナビゲータ Ver.7 で作成。恒星は8等級まで表示。図の上側が天頂)

 つるべ落としの秋の日が暮れ、空がすっかり暗くなった頃、東の地平線にぼんやりとした光の塊が昇ってくる。よく目をこらしてみると数個の星がごちゃごちゃと集まっているのがわかるじゃろう。これは、おうし座にある「プレアデス星団」と呼ばれる星の集団じゃ。夜空が十分暗ければ肉眼でも6〜7個、双眼鏡を向けると数十個の星が集まっているようすがわかり、息をのむような美しさじゃ。ちなみに、ガリレオ・ガリレイもこの星団に望遠鏡を向けて星を数えておるぞ。実際は、ずいぶん広がった星団ゆえ、望遠鏡よりも視野の広い双眼鏡で観察するのがおすすめじゃ。みんなもぜひ双眼鏡でその美しさを味わうとよいぞ。
 このプレアデス星団が月に隠される珍しい現象(プレアデス食)が、10月17日に起こる。月は星座をつくる星々の間を少しずつ東へと動いていく。月の出の時刻が毎日約50分ずつ遅くなるのはそのせいじゃ。そのため、星団の星が西から東へ順に、ゆっくりと月に隠されていくようすがおよそ2時間にわたって観察できるのじゃ。
 ただし、星団、月ともに昇ったばかりの東の低い空で起こる現象なので、実際の観察はむずかしい。19時頃の月の高度は、北海道では約10度で観察可能な条件じゃが、東京では約5度、西日本以西では月が地平線から昇ったばかりかまだ昇っていない状態じゃ。だから、プレアデス食を観察するというよりも、月と星団の接近をたのしむという感じになるじゃろうな。また、満月を過ぎたばかりの月がかなり明るいために、肉眼での観察は月がまぶしすぎて星団がわかりにくい。観察の際は双眼鏡を使うのがおすすめじゃ。
 今回は観察条件がよくないが、来年の2009年9月10日にはもっと観察しやすいプレアデス食があるので、こちらは見逃さないようにしたいものじゃ。

 

天文解説 ―プレアデス星団

プレアデス星団プレアデス星団
撮影・提供:福島英雄(国立天文台)

  おうし座にあるプレアデス星団は、肉眼でも観察しやすい代表的な星団です。地球からの距離が約400光年と近く、肉眼で見える限界とされる6等級より明るい星が10個以上あるために、夜空が明るい都市でも肉眼で6個程度の星を確認することができます。
 このプレアデス星団は、百個ほどの星の大集団です。構成する星はいずれも生まれてから1億年に満たない若い星々です。これらの星々は、その材料になる暗黒星雲から一緒に生まれてきたもので、一人前の星として輝きはじめてからも暫くの間は集団で過ごします。しかし、互いに少しずつ離れていき、いずれはばらばらになってしまうと考えられています。  
 
 
 

星はすばる

 ところでこのプレアデス星団は、夜空でも美しく目立つ星団であることから、洋の東西を問わずいろいろな別名を持っています。
 「プレアデス」という名前は、ギリシア神話に登場する妖精・プレアデスの七人姉妹に由来します。
 日本では、「すまる」(集まるという意味)というやまと言葉から転じたとされる「すばる」という和名が有名ですね。平安時代の作家・清少納言が「枕草子」という随筆の中に「星はすばる(がいちばん美しい)」と記していることでよく知られています。ハワイにある国立天文台の大望遠鏡「すばる」はこの星団の和名に由来しています。ほかにも日本では「むつらぼし(六連星)」、「むらぼし(群星)」と呼ばれたり、ほかにも全国各地でいろいろな異名があることが知られています。石垣島天文台の望遠鏡の愛称「むりかぶし」もこのプレアデス星団を意味する沖縄の八重山地方の言葉から名づけられました。
 この星団が、洋の東西を問わず、昔から人々の目をひきそして親しまれてきたことがよくわかりますね。
 一方、18世紀のフランスの天体観測家シャルル・メシエは、星雲や星団に番号を付けてカタログをつくりました。その中でこのプレアデス星団は、45番目に記されているためにM45とも呼ばれます("M"はメシエの頭文字)。

 

制作/世界天文年2009「ガリレオくんと仲間たち」制作ユニット+藤井龍二(まんが)

 

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