世界天文年2009マスコットキャラクター「ガリレオくんと仲間たち」が、みなさんを星空と天文学の世界へご案内します!

第4回 「シマシマ模様をグルグル回れ」の巻

2008年8月15日号

第4回

観測ガイド ―木星を観察しよう

木星とガリレオ衛星ガリレオが発見した4個の大型衛星(内側からイオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)。現在、小さなものも含めて63個の衛星が発見されています(画像:福島英雄/国立天文台、メタンバンドによる撮像なので、木星の表面模様などは望遠鏡で見るイメージとは異なります)。
提供:国立天文台
※クリックすると大きな画像が表示されます

 この夏、南の星空やや低く、いて座の方向にたいへん明るい星が輝いておるのう。それが木星じゃ。夜空が明るい都会の星空でも、木星はすぐ見つけられる。さて、木星を見つけたら、ぜひ小型の望遠鏡を用意して観察してみよう。すると、木星のすぐ近くに小さな明るい星をいくつか見つけることができるじゃろう。数日間観察を続けると、その星たちが木星の両側を右に左にと移動しているようすを確認できるはずじゃ。星の数は4個。これは、木星の衛星たちで、内側から「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」と呼ばれておる。月が地球の周りを回るように、4個の衛星も木星の周りを回っているが、地球から見ると、その回転のようすを真横から観察することになるので、それぞれの軌道が重なって、衛星たちが木星の両脇を左右に行きつ戻りつして見えるというわけじゃな。

 おっ、いい忘れておったが、このまんがに登場するワシの仲間たちの名は、この木星の4個の衛星の名まえからとっておるのだぞ。

 この衛星を望遠鏡で観察してスケッチをとってみよう。
  「君もガリレオ」プロジェクトの観察ノートにある「木星とその衛星の観察観察ノート」を利用しよう。

 木星の位置については、国立天文台ホームページの「ほしぞら情報」を参考にしよう。

 

ガリレオガイド ―メディチ家の星々

 ガリレオが自作の望遠鏡で木星を観察したのは、1610年の1月初めのことでした。ガリレオは、すぐに木星の両側に鋭く光る3個の小さな星を見つけました。この星々に興味をもったガリレオは、晴れれば毎晩観測を続けました。そして、同じような星がさらに1つあることを発見します。木星が星空を移動していくにつれ、背景の星々も移り変わっていきますが、この4個の星たちは、木星の両側を行きつ戻りつしながら木星から離れることがありません。そこでガリレオは、この4個の星は木星を回っている天体で、そのようすを真横から見ているのだと気付きました。
 この木星の「衛星」の発見は、すべての天体は地球を中心に回っていると考える「天動説」を覆す有力な証拠のひとつとなります。このころ、すでに地動説支持に傾いていたガリレオは、この木星の衛星の発見を重視し、望遠鏡を用いた他のさまざまな発見とともにいちはやく『星界の報告』という著書に観測報告をまとめました。また、有力者に対して望遠鏡を寄贈したり観察会を開いたりもしました。ガリレオ自身は、4個の衛星の名を当時の彼のパトロンであったメディチ家に因んで「メディチ家の星々」としました。今日、この4個の衛星はギリシア神話に基づいて、それぞれ「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」と命名されていますが、ガリレオの発見に敬意を表し、4個まとめて「ガリレオ衛星」とも呼ばれています。

 

天文解説 ―木星のデータ

太陽からの平均距離 約7億8000万km(地球−太陽間の約5倍)
公転周期 約12年
赤道半径 約7万1500km(太陽系でもっとも大きい、地球の約11倍)
質量 地球の約318倍
平均密度 1.33(地球の4分の1以下)
 

木星は巨大なガス惑星

木星と大赤斑複雑な縞模様に覆われた木星のすがた。中央下に見える赤い目玉のような巨大な渦が「大赤斑」です。
提供:NASA/Solar System Exploration

 ガリレオの大発見の舞台となった木星は、太陽系最大の惑星です。その成分は、ほとんどが液体や気体で、組成の90%が水素、10%がヘリウムという軽い元素でできています。木星は巨大なガスのかたまりといってもいいでしょう。
 その表面を望遠鏡で観察すると茶色い横縞模様が特徴的です。くわしく観察すると、いつも模様が変化していることがわかります。これは、木星全体を覆うとても厚い雲の動きによるものです。大気の成分はメタンが多く、さらに、アンモニア、硫化水素とアンモニアの化合物、水などを含む氷などで、それらが雲となって白や褐色の複雑な模様をつくっています。特に有名な模様が「大赤斑(だいせきはん)」と呼ばれる赤味がかった巨大な渦模様で、数百年にもわたって活動している巨大な台風と考えられています。
 雲の内部のようすは、1995年にアメリカの木星探査機「ガリレオ」がパラシュートで観測装置を降下させて、時速700キロメートル以上もの猛烈な風が吹き荒れていることがわかりました。そして時おり、地球の雷の1000倍にも達する巨大な放電現象も観測されました。このような雲の下には、高い圧力によって水素が液体となった分厚い外部マントルが続きます。木星には、地球のように堅い表面は存在しません。さらに内部マントルに達すると超高圧状態となって、水素が電気を通す液体金属状態になっています。ガリレオ探査機によるくわしい木星の磁場観測から、こうした内部のようすが明らかになりました。表面付近は摂氏マイナス160度ですが、中心の温度はおよそ2万度もあると考えられています。
 木星は、およそ10時間という短い時間で自転しているので、赤道方向が膨らんだ楕円体になっています。

 

ガリレオ衛星のすがお

 一番内側を回るイオは、木星からもっとも大きな潮汐力を受けるために内部の温度がひじょうに高く、火山活動がたいへん活発です。そのため、新しい溶岩の噴出が続き表面のようすはいつも変化しています。少なくとも36か所の火山が観測され、高さが330キロメートルにも達する噴煙も観測されました。噴き出す溶岩の温度は1000度以上にもなります。
 イオの外側を回るエウロパは、表面全体が氷に覆われていますが、その氷の下に深さ100キロメートル以上の広大な水の海があります。これはエウロパも木星の潮汐力で内部が温められているからです。表面をモザイク状に覆っているオレンジ色や褐色を帯びた氷は塩分や硫黄化合物などを含んでいて、有機物に富む海水が、これらの氷を表面に浮かべています。地球では、かつて海底火山の周りに生命が発生した可能性が議論されていますが、エウロパにも、同じような環境があるのかもしれません。
 さらに外側を回るガニメデやカリストは古くて厚い氷に覆われていますが、それらの下にも海水の層が存在するのではないかとも指摘されています。またカリストを除く内側3つの衛星には地球と同じように中心に金属の核があるらしいこともわかりました。これは、内部が高温である証拠といえます。
 ちなみにガニメデは太陽系最大の衛星で、水星よりも大きな天体です。

イオ エウロパ ガニメデ カリスト

ガリレオ衛星:左から、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト(提供:NASA/Solar System Exploration


制作/世界天文年2009「ガリレオくんと仲間たち」制作ユニット+藤井龍二(まんが)

 

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